【パターン別】営業代行の仕組みを徹底解説!

適切な営業戦略の立案と新規販路の拡大、アポイントメントの獲得といった営業活動は企業が売上を伸ばすためには必要不可欠な要素です。しかし、人員リソースが限られているスタートアップや新規事業において、本格的な営業ノウハウを備えた営業チームを手配するのは簡単ではありません。

プロの営業会社に自社の営業活動を外注することを「営業代行」または「営業アウトソーシング」と呼びます。今回は営業代行に営業活動を外注する際の仕組みを、パターン別に解説していきます。

営業プロセス全体の外注も、一部分のみの外注も可能

営業代行には四つのステップが存在します。

営業活動には、新規開拓を目的とするアポ取りや既存顧客のリテンションだけでなく、事前準備としての営業戦略立案や、受注後の実績の評価・見直し等も含まれます。

営業のプロセスとは、顧客にアプローチをはじめてから、商談をクロージング(受注)するまでの一連の流れです。一般的な営業活動のプロセスは、

「アポイントメント」⇒「商談」⇒「提案」⇒「受注」

となり、アポイントメントの前に事前の「営業戦略立案」が行われます。「商談」のプロセスには、見込み顧客との「信頼関係の構築」と「ヒアリング」が含まれます。

引用:【徹底解説】営業代行、実際どこまで携わってくれるの?

営業代行では上記営業活動をアポイント獲得から受注まで一貫してサポートする会社も存在します。また、社内のリソースが足りない、一部の営業活動のみを外注することも可能です。

営業代行における成果の定義

営業代行における「成果」とは、必ずしも「受注」を指すものではありません。案件によって営業戦略立案からクロージングまでを一セットとし、クロージングを「成果」と見なす場合もあれば、営業プロセスの途中段階での一定の達成を「成果」と見なす場合もあります。

例えば「アポイントメントの獲得」を目的とする営業のアウトソーシングであれば、案件を最終的に受注することが出来たか否かに関わらず「アポイントメントの獲得」が成果と見なされます。

営業代行の料金体系は三通り

営業代行の料金体系は「固定報酬型」「成果報酬型」「固定報酬型と成果報酬型の複合型体」の三通りが存在します。「固定報酬型」は成果の達成の有無に関わらず、月額の固定報酬の支払が発生する料金体系です。「成果報酬型」は月額の固定費は発生せず、成果に応じた手数料を報酬とする料金体系です。「固定報酬型と成果報酬型の複合型」は、基本的には「成果報酬型」をベースとしながら、最小限の月額固定費が発生する形式です。月額固定費は営業活動に関する経費などに使用されます。

「固定報酬型」のメリットは、「成果報酬型」に比べて報酬のパーセンテージが割安になる場合が多いことです。「成果報酬型」の営業代行は「受注が獲得できない」といった営業活動のリスクを一時的に引き受ける形になるため、その分、成果が達成された場合には報酬の割合をやや高めに設定する傾向があります。そのため、「固定報酬型」の営業代行に営業をアウトソーシングすると、同じ案件を「成果報酬型」の営業代行に依頼するのに比べて結果的に総額の費用を安く抑えられる場合があります。

一方、成果が達成されたかにかかわらず費用が発生することがデメリットです。

「成果報酬型」のメリットは、成果の達成を持って支払いが発生するため、初期投資のリスクが限りなく低いことです。一方、「固定報酬型」に比べると報酬の割合がやや高いケースも存在します。

営業代行に営業活動をアウトソーシングする場合、料金体系や報酬の割合は依頼内容や工数、過去の販売データの有無などによって変わります。

アポイントメントの獲得をアウトソーシングする場合

営業代行に「アポイントメントの獲得」を依頼する場合、四段階の営業プロセスの内「アポイントメント」を外注する形になります。よって「アポイントメントの獲得」が成果と定義され、以降のプロセスの成果や実際の受注の有無にかかわらず、報酬の支払いが発生します。

営業代行が「アポイントメントの獲得」をどのように進めるかは「アポイント」の前段階である「営業戦略立案」をセットとして依頼したか否かによって、変わります。営業戦略立案をセットにしている場合、営業代行はまず対象の商品・サービスをどのように売るか、戦略の立案をスタートします。

戦略の立案においては、商品・サービスの訴求ポイントを洗い出し、どういった層にそれらを売り込むかターゲットのリストアップを開始します。戦略立案においては、戦略を「作戦・戦術・計画」の三段階に分けることが必要です。

作戦の段階では、具体的な営業手法ではなく「何を達成する必要があるのか」というゴールを明確化します。ゴールが明確された段階で、作戦に「名称」を付けることもお勧めです。分かりやすい作戦名を付けることで、自社の他の事業との区別がしやすくなり、社内でのコミュニケーションが円滑化されます。

また一人ひとりの担当者が「自分はこの作戦に参加している一員なのだ」という自覚を強めることにも繋がります。「何をしなければならないか」を決めたら、それらを「どのようにして実行するか」「いつまでに実行するか」を決めます。例えば「新規案件を獲得する」という「しなければならないこと」がある場合には、まずは新規のターゲットに自社商品を知ってもらい、興味を持ってもらうことが必要です。

「認知の拡大と見込み客の獲得にはどの程度の時間を費やすのか。」、「電話営業を中心に行うのか、DMの送付やオウンドメディアの活用を中心に行うのか。」、「何をKPIとするのか。」、そうした営業戦略を仔細に検討していくことで、アポイントメントの獲得は勿論、商談をはじめとするその後のステップへの移行もスムーズになります。

クロージングと実績評価までをアウトソーシングする場合

営業代行には「営業戦略立案」「アポイントメント」「商談」「提案」「受注(クロージング)」、そして「実績評価」まで一連の営業プロセスを全て外注することも可能です。

実績評価とは、企業の業務改善に用いられる指標である「PDCAサイクル」の「Plan」「Do」「Check」「Action」の四段階の内、「Check」に該当するものです。営業活動を「Plan」し「Do」した結果を「Check」し、良かった点・悪かった点を抽出し、悪かった点を改善し「Action」することで、継続的に成果を上げることが可能になります。

実績評価を正確に行うことで以後の営業活動を自社で展開する場合にも、もう一度営業代行に依頼する場合にも、効率的に営業を進めていくことが出来るでしょう。

最後に

営業活動をアウトソーシングする場合、料金体系や報酬の割合は依頼内容や工数、過去の販売データの有無などによって変わります。自社に最もマッチした料金体系、フォロー体制を備えた営業代行にアウトソーシングを行うことで、自社の売上をスピーディーかつ効率的に伸ばすことが可能となります。

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