IT技術の発達に伴い企業のマーケティング活動でも、業務を自動化する様々なツールが登場しています。こうしたツールを用いることによって業務効率や生産性が向上し、収益の増加も見込めます。今回は「MA」「CRM」「SFA」「ABM」といたマーケティング活動の概要と、一緒に利用すると便利なツールの特徴、利用する際のポイントなどを解説していきます。
画像引用:カスタマーリングス
http://www.pa-consul.co.jp/cr/
MA Marketing Automation(マーケティングオートメーション)
MAは「集客」や「販売促進」、「顧客管理」など、一連の企業のマーケティング活動を自動化して行い、業務効率を向上させるシステムです。例えばサイトを訪問したユーザーを分析して、見込み顧客になる可能性のあるユーザーを自動的に見つけ出したり、アクセスの頻度や閲覧したページの履歴を元にユーザーに適したアプローチをかけたりなどと、営業を手助けする機能を提供してくれます。また分析結果を元にした継続的なコミュニケーションを通じて、見込み顧客を「育てる」プロセスを自動化してくれます。
MAツールでできること
・リード(見込客)情報の収集
・リードのオンラインの行動トラッキング
・メールマーケティングの自動化
・コンテンツの自動最適化
・ソーシャルメディアとの連携
・コンバージョンキャンペーンページの閲覧などの効果測定
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本当に導入するべきか?マーケティングツールの導入メリットとは
CRM Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)
「顧客ニーズ」を的確に把握し、見込み客との長期的な「関係性構築」をするCRMでは、顧客満足度が向上します。それによって、CRMツールの導入は一人当たりの購買額の最大化や、顧客維持率の向上、長期的な収益のアップに繋がります。CRMを支援するツールでは、商品購入後の営業担当のアプローチ履歴や他の商品の購入履歴などの顧客情報を管理します。
CRMツールでできること
・企業情報、担当者情報の管理
・パイプライン上の商談状況を可視化
・成約率の向上や成約に至るまでの期間短縮
・一人当たりの購買額の増加
・顧客維持率の向上
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CRM(顧客管理)ツール導入によるメリット・効果の徹底解説!
SFA Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)
SFAは「営業プロセス」や「進捗状況」を管理し営業活動を効率化するためのシステムです。SFAもCRM同様に顧客情報の管理を行いますが、SFAは営業活動をサポートするためのシステムなので、担当者に紐づく案件や履歴なども含めたデータ管理ができるようになっています。商談成立までの営業活動に必要な情報を一元管理します。
SFAツールでできること
・各営業マンの行動を管理(スケジュールやTo DO機能など)
・商談内容とプロセスの管理
・営業効率を高めて売上と利益の向上
・見積書作成・紐付け機能
・請求書発行機能
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SFA(営業支援)とCRM(顧客管理)の違いと連携術
ABM Account Based Marketing (アカウントベースドマーケティング)
ABMは重要な「企業アカウント」に焦点を絞るシステムです。MAは「潜在的な顧客を不特定多数の中から効率よく見つける活動」であるのに対し、ABMは「特定企業・顧客に買ってもらうための活動」と言えます。一般的に大口顧客のいる大手企業中心のB2Bシステムです。
自動化ツールの中には企業のキーマンとなる重要顧客に焦点をあててエンゲージメントしたり、アカウントスコアに基づいてセグメント化したりするABMを支援する機能をもったものも出ています。
ABMツールでできること
・アカウントターゲティング
・パーソナライズしたマルチチャネルでのエンゲージメント
・収益ベースのアカウントアナリティクス
・リード管理機能
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BtoBマーケティングを劇的に変える!?アカウントベースドマーケティング(ABM)導入メリットを解説
ツールは利用目的の明確化で導入成果をあげる
ツールごとに効果を発揮できる機能が違うので、導入の成果を得るためには
利用目的を明確にすることが重要です。例えば顧客管理に特化したMAは、商談のプロセス管理などには向いていません。一般的なセールスマーケティングのプロセスと業務フロー、そして利用するツールの流れは以下のようになります。
このような「セールスマーケティングのプロセス」に応じて、利用したいツールを適切に使い分ける必要があります。
見込み顧客獲得の段階
営業をかけていくためには、まず見込み顧客数を増やしていく必要があります。そういった場合は
MAを導入をします。時間やスキルに限りや違いのある人間の手に任せるのではなく、MAツールの分析によって顧客一人一人にあったアプローチを効果的にかけ、顧客の獲得と育成を進めます。
商談開始の段階
商談が開始し営業をかけている段階では
SFAを導入します。特にチームとして営業担当者が動く場合は、連携して効率的にアプローチをかけられるように、情報とスケジュールの共有化や各商談の詳細をSFAツールで管理していきます。
商談成立後の段階
商談が無事成立し、獲得した顧客をその後もリピーターとして商品やサービスを利用してもらう、商品の宣伝をしてもらうなど優良顧客として育成したい場合は
CRMを導入します。CRMは購入履歴の細かい管理、アフターフォローなどを支援し、顧客満足度を向上させ、長期的に顧客との良好な関係性を維持できるようサポートします。
ABMが適している場合
上記の流れはMAと各システムツールを連携させた場合で、様々な業種の不特定多数の顧客へのマーケティング活動を前提としています。もし顧客を似たような特徴でグルーピングでき、ある程度高価格の商品やサービスの販売を目的とするなら、既存顧客中からターゲットとなる特定顧客を選び出してオーダーメイド的なアプローチをかける
ABMのシステム用いるのが効果的でしょう。
おすすめツール
HubSpot インバウンドマーケティング&セールスソフトウェア
https://www.hubspot.jp/
サービス:MA、CRM、SFA、ABM
HubSpotとは CRM、マーケティング、セールス、カスタマーサービスの各ソフトウェアを全て一つのアカウントで管理できるオールインワンプラットフォームです。世界120か国以上で78,700社で導入されており、マーケティング オートメーションツールとして世界シェアNo. 1を誇ります。インバウンド手法を適用したABM(アカウント ベースド マーケティング)実践機能も備わっています。様々なプランが用意されており、完全無料のCRMから低コストで導入でき、必要に応じてアップグレードができるツールとなっています。
カスタマーリングス
http://www.pa-consul.co.jp/cr/
サービス:MA
CRMと連携し、顧客情報管理からメールマーケティングに必要なシステムや機能を一元化しています。見込み顧客とのコンタクトの履歴を蓄積し、見込み度合いをスコアとして算出、スコアに応じて見込み顧客をセグメントし有望リストを営業部門に受け渡します。サポート体制も充実しアパレル、不動産、金融など様々な業界でB2B向けに導入されています。
リストファインダー
https://promote.list-finder.jp/
サービス:MA
株式会社イノベーション提供のリストファインダーは月額3万円~と、導入しやすい価格で国内導入実績トップシェアのツールです。操作画面もシンプルで使いやすく、高度な専門知識がなくても初めてマーケティングツールを使う人に向いていることから支持されています。
WaWaFrontier (ワワフロンティア)
http://www.wawaoffice.jp/product/sfa/
サービス:SFA
WaWaFrontierは SFAシステムに簡単に導入できるASP型SFAアプリケーションです。クラウド型なので月額1,000円~と、導入費用が低目に抑えられ、営業の予定・実績入力、予定入力、案件進捗管理などSFAに必要な機能を一通り使いこなせます。
Marketoエンゲージメントマーケティングプラットフォーム
https://jp.marketo.com/software/
サービス:MA、ABM
顧客の取り込みや育成を行うマーケティングオートメーションやアカウントベースドマーケティング(ABM)などのプラットフォームを兼ね備えたシステムツールです。このひとつでメールキャンペーンを作成、モバイル端末へのプッシュ通知、SNSに対応したブランドのソーシャルネットワーク構築などが簡単に行え、MAとCRMを連携させたサービスを利用できます。
eセールスマネージャーRemix Cloud
http://www.e-sales.jp/points/
サービス:SFA、CRM
国内トップシェア4,000社の導入実績を謳うCRM/SFA(営業支援システム)ツールです。営業現場で報告されたデータを蓄積・分析し、営業活動の改善や顧客情報の管理を行います。便利な機能のひとつとして名刺OCR機能を利用すると、スマートフォンで名刺を撮影するだけで即時にデータ化され、活動報告やスケジュール登録などで活用できます。
まとめ
マーケティング効果を最大まで高めるためには、セールスマーケティングのプロセスに適した機能を持つツールを適切に利用していくことが重要です。複数のツールを組み合わせて使うことも可能ですが、一元管理できるオールインワンプラットフォームや、連携機能が充実しているツールをメイン利用することをお勧めします。自社のマーケティングアプローチでどの部分を強化したいか、また予算や人的ソースも考慮して優先順位を決め、それに合わせて効果を発揮できるツールを選ぶよう心がけましょう。