インサイドセールスとは?インサイドセールスのメリットとデメリットを徹底解説!!

近年、営業活動を効率化させる手法としてインサイドセールスが注目されています。インサイドセールスを行うことで成果が上がる場面は多く、多くの企業で営業活動がフィールドセールスからインサイドセールスを活用した手法へとシフトしています。今回の記事では、インサイドセールスとは何かを導入によるメリットとデメリットも含めご紹介します。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、営業活動を顧客訪問ではなく電話や電子メールにより行う手法です。これに対して実際に顧客を訪問して商談する営業活動をフィールドセールスと呼びます。

日本では営業プロセスを2段階に分け、顧客候補の選定とコンタクトや商機を見つけて商談に持ち込むまでのプロセスを内勤で行う部分がインサイドセールス、実際に顧客を訪問して商談する部分がフィールドセールスと認識されています。従来セールスパーソンが一人で全てやっていた活動を分業により行うことで、効率化を図って成約への成功率を高めるのが目的となります。

米国ではインサイドセールスの定義と手法が異なり、電話や電子メールだけでなくウェブ会議なども使い、顧客の特定とコンタクトから始って商談や成約に至るまでの全ての営業プロセスを、顧客と対面することなく完結するのがインサイドセールスと呼ばれます。

インサイドセールスの役割

従来の典型的な営業活動は、以下の流れとなっています:

① 販売見込みがある顧客を何らかの方法で探す

⇒ ② 特定した顧客にアプローチしてアポをとりつける

⇒ ③ 実際に訪問して製品やサービスを紹介する

⇒ ④ 数度にわたって商談し、成約につなげる

上記のプロセスでインサイドセールスの役割は、①と②の部分となります。

従来のセールスパーソンが手探りで行っていたように、無作為に顧客にアプローチしてアポを取り付けるのではなく、成約率を高めるためにどの顧客にアプローチし、どの顧客と商談すればよいかを、インサイドセールス担当者が判断します。このようにフィールドセールス担当が効率よく営業活動が行えるように、アプローチしていく顧客を選ぶ役割を果たすのがインサイドセールス担当者となります。では具体的にはどのように営業活動を進めればよいのでしょうか?

効果的なインサイドセールスには、以下の作業が必要となります。

  • リストアップした顧客候補や、自社のWEBサイト経由問い合わせのあった顧客、見本市で自社ブースを訪れた顧客などと電話やメールでコンタクトをとり、顧客の業態やニーズに関する基本情報を収集する
  • 購買のキーパーソンを特定する
  • 電話やメールでの会話により、ニーズを喚起したり需要をつくったりする
  • 商談に持ち込めそうか、また成約に持ち込む可能性は高いかどうかを見極め、フィールドセールス担当者につなぐ
  • 現時点でニーズはなさそうでも、将来的にニーズが出そうかどうかも見極め、定期的にプレッシャーのないコンタクトを継続することで、商機を逃さないようにする

尚インサイドセールスとフィールドセールスと役割を分担する上で重要なポイントは、顧客情報のデータベース化と情報共有です。

またフィールドセールスで面談した顧客の反応や、結局成約に至ったかどうかの結果を、フィールドセールスからインサイドセールスにフィードバックすることも大切です。インサイドセールス側では成功率が高いと判断しても成功につながらなかった場合は、何らかの原因があるはずです。一連の営業プロセスを一人でやっている場合は、この因果関係が蓄積されていきますが、分業されている場合は両者間の十分な情報共有やコミュニケーションがないと、継続改善につながりません。

なぜインサイドセールスが必要か?

顧客候補が数少なく特定が容易な業界であれば、インサイドセールスが必要ない可能性が高いです。顧客候補が少ない業界では、有力顧客候補に対して一人の営業担当者が最初から最後まで一連の営業プロセスを全て行ったほうが、成約の成功率が高い場合があるからです。

しかし販売できる可能性のある顧客が無数にある業界に新規参入する中小企業や、新しい市場を開拓するベンチャービジネスなどでは、限られた資源をいかに効率よく使うかが、非常に大切なポイントとなります。このため、顧客候補へのアプローチから成約までの一連のプロセスをセグメント化し、一人の営業マンが最初から最後まで時間をかけて行うのではなく、並行して同時進行させることで営業活動の効率化を図り、また成約への成功率を高めることが必要です。

インサイドセールスのメリットとデメリット

インサイドセールスのメリットとしては、以下が挙げられます。

・資源の節約

効果のある商談が出来るかや、成約につながるかが不透明の顧客候補に時間と予算をかけずに済むことで、会社の資源が節約できます。客先候補に行くまでの移動時間は、同じ市内であっても重なることによって大きな負担となります。また出張が発生した場合は、何日もの時間が必要となります。移動や出張にかかる経費だけでなく、効果があるかどうかが不透明な顧客候補への接待費なども節約できることができます。

・営業活動の効率化で、成約までの時間が短縮

一人の営業マンが、顧客候補を探しだしてアプローチ戦略をたて、コンタクトをとってアポを取得し、面談して製品やサービスをプレゼンし、商談して成約につなげるといった一連のプロセスを全て行うのには、膨大な時間がかかってしまいます。またプレゼンや商談のために顧客を訪問している間やその前後の時間は、新たに顧客候補を探したり別の顧客とのアポをとる作業が出来ません。この部分を同時進行で手分けして行うことで、顧客との最初のコンタクトから成約までの時間が短縮できます。

・地方都市でも営業活動ができる。

インサイドセールスを活用することで、地方都市を拠点としての営業活動が可能となります。顧客候補を特定する部分を全国を無駄に飛び回ることなく行え、その分節約できる資源を有力顧客候補のみとの商談に有効に使うことができます。またこの方法を活用することで、国内にとどまらずセールスを海外市場でもトライすることもでき、グローバル化が図れる可能性もあります。

・セールスパーソンの交代が可能。

競争が激しい業界では、優秀なセールスパーソンの引き抜きやセールスパーソンの転職も普通に起こるようになってきています。営業活動をスペシャリスト化することで、一人のセールスパーソンに蓄積される情報が分散され、セールスパーソンが交代した場合のダメージが少なくなります。またセールスパーソンにとっても、インサイドセールにしてもフィールドセールスにしてもより専門的なスキルを身につけることができ、担当している仕事でより成果が出せるようになります。

インサイドセールスのデメリット

インサイドセールスのデメリットとして適切な情報共有ができる仕組みが必要になることがあります。従来一人のセールスパーソンが管理していた情報を二分化することになりますから、顧客に関するあらゆる情報を、一元化して共有できるようなシステムや仕組みを構築する必要があります。営業活動でインサイドセールスとフィールドセールスに分けて効果が得られない場合の原因としては、ここの情報管理不備とコミュニケーション不足が考えられます。

また、営業暦の長いプロのセールス・パーソンの、成約に至る顧客発掘の「勘どころ」は生かせないため、それに代わる、精度の高い顧客発掘に役立つシステムを利用する必要もあるでしょう。例えば、顧客管理システムや営業支援システムなどの分析ツールの利用や、自社のWEBサイトのアクセスや閲覧履歴の分析の活用などが考えられます。

まとめ

インサイドセールスの意義や適用方法について、ご理解頂けたでしょうか。従来の営業活動とは異なり、少人数でも効率よく営業活動ができる手法であるインサイドセールスは中小企業の営業力の強化につながります。また、大企業であってもインサイドセールスの導入によって組織全体の営業力が強化できます。従来の製品やサービスの営業手法を変えるのは容易ではありませんが、新規事業立ち上げやベンチャービジネス、新しい市場の開拓に際して導入してはいかがでしょうか。

おすすめの記事