【法人営業の新規開拓】step2:見込み客への適切なアプローチを行う

法人営業の新規開拓において、ターゲットとなる企業と商談や面談の機会を設けて貰っても、成約まで至ることは簡単ではありません。「売り上げや利益が伸び悩んでいる」「新規顧客との取引が増えない」という課題を抱える企業は、見込み客へのアプローチを見直す必要があります。ここではアプローチの際にポイントとなること、必要となるプロセスなどを解説し、営業プロセスにおける商談から案件化までの項目でポイントとなることをみていきたいと思います。また成約率を高めるために必要となることをまとめていきます。

アポイントメントをとるためにやるべきこと

フォロー漏れをなくす

新規顧客の開拓では最初にマーケティング担当が見込み客のリスト作成までを担い、営業担当がリストを元にアポイントメントをとるためのアプローチをかけていくかたちで連携しながら作業を行っていきます。営業担当がリストに対してすぐにフォローをかけられれば良いのですが、実際は案件が重なって対応が遅れてしまうことがあります。その後、時間が経過してコンタクトしてみたものの最適なタイミングを逃してしまったため、アポイントメントにつながらないということはよくある話です。

こうのような場合はフォロー漏れをなくすために、営業部門とマーケティング部門とでプロセスの進行管理や状況が可視化できるCRMのようなシステムを入れてチーム全体で共有できるような体制作りが大切になってきます。

ファーストアプローチでダメだったリストの洗い出し

新規顧客開拓のためにリストを作り、ターゲットを決めてアプローチをかけて商談までに結びつく数はだいたい10%程と言われています。この10%と商談を進めて受注・クロージングとなると次の新規の顧客開拓はどうなるでしょうか?ターゲットを抽出する時には

1.自社の商品やサービスがターゲットのニーズとマッチするか

2.十分な売上と利益をターゲットから確保することができるか

といったような条件をつけて絞り込んでいますから、ターゲットリストを無限に作り続けることは不可能でいずれ停滞してしまうことになります。そうなると、ファーストアプローチでダメだったリストの洗い出しを行って、2回目以降のアプローチをかけていくことも必要になってきます。

しかし最初のアプローチで不発に終わってしまっているということは、アポイントメントを取り付けられないなんらかの原因があったということになります。再アプローチの成功率を高めるには、その原因を見つけだし改善をはかることが必要になってきます。単に1回目はタイミングが合わなかったということも考えられますが、そういう場合でも原因を見極める為の明確なルール化が必要です。

商談を成功させるために必要なこと

売り込みではなくヒアリングに重点をおく

アポイントメントをとって商談に入ると自社の商品やサービスのメリットを並べ立てて猛烈に売り込みをかける営業マンがいます。実際商談では売り込みこそ重要だと考えている人も多いでしょう。しかし、この段階で大切なことはヒアリングに重点をおいて顧客のニーズを丁寧に把握することです。売り込みはニーズを把握した後に的確に行うことで最大限の効果を発揮します。

信頼関係を築くことがカギ

既存顧客に対しては「自社の製品やサービスの利点」と「営業マンへの信頼」といった両方のメリットがあります。しかし新規顧客に関しては「自社の製品やサービスの利点」しかメリットがありません。もし自社製品より他社のものが価格や性能でアドバンテージがあれば、商品の比較だけで商談を断られてしまいます。もしも信頼関係が築けていたら、顧客は営業マンに対し商品のよさ以外に「トラブルがあってもきちんとアフターケアをしてくれそう」とか、「必要な時に適切なアドバイスやサービスを提供してくれそう」という信頼も加算して購入を決めてくれます。どうしたら信頼関係が築いていけるのかというと、アプローチ当初は売り込みをかけるのはなく顧客にとって有益な情報提供を心がけるとか、豆に適切なタイミングでコンタクトをとっていくという地道な作業が必要になってきます。

生産性を高める重要性

「質を上げる」方法が営業活動の生産性を高める

営業の生産性を高めるには顧客との面談や受注につながる案件の件数を増やす「量を増やす」方法と、1件あたりの成約率や単価を高める「質を上げる」方法の2つがあります。量を増やす手法は経費ばかりかかり、成果に結びつきにくい方法で、営業マンのモチベーションも下がりやすいものです。質をあげていく方法では常に業務プロセスの「効率化」がカギとなります。

どの業務をコアとして集中すべきか

自社の営業マンの人数的、時間的リソースが限られていてアポ取りをしている時間がないという場合は、アポイントメントを取る部分は外部にアウトソーシングしてみるなど検討すべきです。営業時に使う資料作成や事務作業も営業が一人で担う必要はありません。肝心なのはどの業務をコアとして集中すべきか見極めるということです。こうすることで、営業マンが力を入れるべき「商談」に集中して質の高い営業活動を行い、成果をあげやすくなります。ある企業の事例では、営業マンが力を集中すべき業務に専念し、外部に出せるものは委託した結果、残業時間が3割削減され、受注は3倍以上にのびたという報告もあります。

成果をあげるために必要なマネジメント

各プロセスを計画(Plan)、実行(Do)、計測・分析(Check)、改善(Action)のサイクルで回すことができる仕組みを「PDCA サイクルによるマネジメント」と言います。質(効率)を上げる営業方法では、この的確なプロセスマネジメントを行う必要があります。

成果に結びつく営業戦略

・プロセスを“見える化”する

・プロセスをマネジメントする仕組みをつくる

各プロセスにおいてポイントとなることをまとめてみましたが、ポイントを的確に押さえて進行を管理することは簡単ではありません。「フォロー漏れをなくす」で解説したCRMの導入ひとつにしても、どのようなサービスを組み入れれば自社の管理を最適化できるか不透明です。よくわからないままオートメーションのツールを導入しても使いこなせなかったり、自社の現状にそぐわないものであったりすると問題が発生してそこで営業プロセスが停滞してしまうことになります。

新規顧客獲得のための戦略づくりには、最初のリスト作りからアプローチ、そして商談からクロージングまで綿密な営業設計をたてていく必要があります。きちんとした設計をたてて、要所でボトルネックを見つけ出して最適化を行いながら進めていくと成果を最大に引き出していくことが可能になります。この設計を立てて最適化を行ってくれる戦略部分を担うのが「営業コンサルティング」と言われるプロの仕事になります。

「ファーストアプローチでダメだったリストの洗い出し」においても、アポイント活動のPDCAを徹底してやりきることで、リスト不足の課題はかなり改善します。しかしPDCAの適切なやり方が分からないままだと結局現状で何が問題なのかさえ洗いだせず、ターゲットリスト不足に悩み続けることになります。こうした問題もプロに頼むことでリストを有効活用していけます。

最後に

営業プロセスの中でプロセスマネジメントを適切に行い、ボトルネックを見つけ出し、改善に取り組むことが売り上げの拡大、生産性をあげていくなど営業成果に結びつきます。効率よく課題に取り組むには自社で時間をかけてノウハウを構築する他、営業コンサルティング等プロの営業支援システムを取り入れていく方法もあります。自社で力を入れるべき箇所を見極めて、最大下の成果をあげていけるようにしましょう。

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