リードジェネレーションとは?事例をもとに手法を解説
未開拓ユーザーからリードを獲得して増やしていくことを「リードジェネレーション」といいます。リードジェネレーションは主にBtoBマーケティングで質の高いリード(見込み客)を数多く獲得して営業成果に結びつける手法として用いられています。この記事ではリードジェネレーションの手法を詳しく解説すると共に、リードジェネレーションで大切なポイントをまとめてご紹介します。

リードジェネレーションのプロセス

リードジェネレーションでは発掘したユーザーに対し、自社の商品やサービスに興味・関心を持ってもらうような活動をしていきます。リードを獲得し、最終的に商談や契約を制約させていく過程には、この「リードジェネレーション」がまずあり、次のプロセスとして見込み顧客の育成のための活動を行う「リードナーチャリング」を行っていきます。 引用:https://store.boxil.jp/media/images/uploads/media_image/media_image/11956/large.jpg それぞれの段階でアプローチすることが異なってきます。ここでは未開拓ユーザーを発掘していくリードジェネレーションのアプローチについて次で詳しく説明していきます。

リードジェネレーションのアプローチ

リードジェネレーションの手法は大きく分けて「オフラインのアプローチ」と「オンラインのアプローチ」とがあります。 オフラインのアプローチ例 ・展示会の来訪 ・セミナー登録 オンラインのアプローチ例 ・SEO対策 ・ウェブ広告でのブランディング ・ウェブサイトでの資料請求、問い合わせ ・メルマガへの登録 ・技術ハンドブックのダウンロード ・SNS(ソーシャルメディア)でつながりを持つ オフラインのアプローチでは、例えば展示会に来てくれた人にノベルティグッズなどと引き換えにアンケートを行ったり、名刺の交換などを行ったりしてリードを獲得します。 オンラインでのアプローチではウェブサイトやメルマガを通じ、問い合わせやサービスの申し込み時にフォームに連絡先などを入力してもらってリードを獲得します。オンラインの媒体は自社のもの以外に、他社(第3者)のウェブサイトなどを利用する方法があります。 いずれのアプローチにおいても、リード獲得から顧客化する中で次の3つのポイントがあります。

1.ターゲティング

ターゲティングはプロセスの最初の関門です。この段階ではユーザーにアプローチするために、必要な個人情報の取得とターゲット設定が必要です。数多くの未開拓ユーザーから自社の顧客になるようなユーザーをターゲットにし、ユーザーを発掘していきます。自社の製品やサービスを提供する顧客層の絞り込みがより質の高いリードの獲得につながります。ターゲティングがあやふやなまま獲得数だけ増やしても、後のリードナーチャリングのプロセスにはつながっていきません。

2.オファリング

製品資料、事例集などの情報、デモの予約などこちらからのオファーに対して、ユーザー(リード)は自身のコンタクト情報を提供します。相手にコンタクト情報を提供してもらうには、こちらからも魅力的なオファーを心掛けなければいけません。また、オファーのための広告とのバランスも考慮する必要があります。むやみに広告を増やしてもリードの獲得にはつながりません。コンバージョンをきちんと解析しながら、ウェブサイトやランディングページの最適化を行っていく必要があります。

3.アプローチ方法とタイミング

リードに対して適切なアプローチ方法とタイミングを用いることが重要です。特にメールやSNSなど顧客と直接コミュニケーションをとるアプローチは神経を使います。興味を持ってくれた相手に対し、不快感を与えないコミュニケーションと、より興味や関心を持ってもらえるようなアプローチが大切です。

リードジェネレーションの具体的な手法

・セミナー、イベント

セミナーやイベントに参加した人は自社サービスや製品に興味・関心がある可能性が高く、効率的なリードジェネレーションを行うことができます。リスト獲得のために主流となっている方法といえます。ポイントであげた「ターゲティング」の問題もクリアしやすい方法です。 メリット: 質の高いリードの獲得につながりやすい デメリット: セミナー企画、会場準備等の稼働が生じる ターゲットが限られた地域、人数になる

・DM、ファックス

リストを業者から買い取ってDMやFAXを送る古典的なリードジェネレーションの方法もあります。 メリット: 本人に直接届くので訴求力が高い デメリット: 開封してもらえなければ意味がない 成果が薄い ここからはウェブで行う手法をご紹介していきます。

・SEO対策

自社のサイトで訪問者を獲得する場合は、SEO対策などを実施して検索エンジンで上位に表示されるようにする工夫やSNSから誘導してトラフィックをあげる必要があります。ターゲットの居住地や人数に制約のないウェブでの活動は、SEO対策によって強力な集客手段をなり得ます。リスティング広告と比較しても正しく行えば数倍の効果が見込めます。リスティング広告の費用は効果があるもの程高額な設定で、リスティングだけに頼っているとコストばかりかかってしまうことになります。費用対効果の観点からも検索順位をあげていくSEO対策はリードジェネレーションにおいて必須です。 以前はSEO対策として相互リンクの数を増やし、自社サイトに誘導するような手法が横行していました。しかし近年検索エンジン大手Googleが単にリンクを目的とするようなサイトはガイドライン違反として、検索順位を下げるなどペナルティを課すようになりました。意味のないリンクの多用はスパムとして扱われ、SEO的にむしろ逆効果となってしまいます。

・コンテンツSEO

近頃は「コンテンツSEO」といわれるホームページ内にコンテンツを充実させることによって、YahooやGoogleなどの検索エンジンからの流入を増やし、アクセスアップを実現する手法が主流で行われています。似たような手法で「コンテンツマーケティング」と呼ばれるものもあります。こちらは見込み客(ターゲット)にとって価値のある情報(コンテンツ)を提供することで興味をもってもらい、自社へのロイヤリティを高めます。質の高いコンテンツを用意することで検索エンジンからも高い評価を得ることができます。 事例:「Wistia」のヘルプビデオコンテンツ ビデオホスティングプラットフォームを運営する「Wistia」は、見込み客が持つ身近な疑問を、楽しく、また分かりやすく解決することができるヘルプビデオコンテンツを自社サイトに用意しました。このヘルプビデオはビデオを自作しようとしている企業にとってとても価値の高いもので、ヘルプをダウンロードさせることでリードの獲得に成功しています。 メリット: ウェブという媒体で場所を問わず多くのターゲットを対象にできる SEO対策でリスティング広告費が削減できる 低いコストで始めることができる 自社の社員を育成しSEO対策をすることで今後のアクセスアップの基盤ができる デメリット: SEOに精通していないと効果があげられない 興味を引くコンテンツ作成の知識やノウハウが必要 検索エンジンのアルゴリズムの仕様変更など常に最新の情報を仕入れる必要がある 成果を出すまでコツコツ時間をかける必要がある

・SNSのリードジェネレーション

SNSはBtoBというよりBtoCマーケティングで活用されているイメージがあるかも知れません。実はBtoBにおいてもSNSは重要なマーケティング手段です。リードジェネレーションではTwitter、Facebook、インスタグラムといったSNSメディアはユーザーと「つながり」を持つ上で大切なツールとなります。アプローチのタイミングもユーザーが自分でSNSにアクセスした時に目にするなど、一方的に送り付ける強引さがなくなります。 SNSの特徴のもっとも大きなものは「拡散」です。メールなどで顧客にアプローチした場合、その内容が周りに波及していくことはありませんが、TwitterやFacebookなどで配信した場合、興味を持ってくれた顧客が「いいね!」などのエンゲージメントを通じて拡散し、さらに顧客を増やしていくことが可能になります。

・Twitter

Twitterの活用法の一例として、自社のウェブサイトの記事の一部をリンク付きで表示させる方法があります。フォロワーの投稿にもこちらから「いいね!」をつけたり、自社や自社の商品について書いてくれているブログやウェブサイトをツイートして紹介したりすることでつながりを深くしていけます。

・Facebook

企業はFacebook上でFacebookページを持つことができます。自社の公式ウェブサイトやランディングページへの入り口として活用したり、イベントの告知などを行ったりすることもできます。Facebookページでユーザーに「いいね!」してもらえると、相手のFacebookのフィードに、こちらがFacebookで発信した内容が表示されるようになります。Facebookページを宣伝してくれる広告を利用することで「いいね!」を効率的に増やしていくことが可能です。例えばユーザーが企業の「投稿」にいいね!をしてくれて、ページにはまだいいね!をつけていない場合、この広告を利用すればユーザーにページにもいいね!しませんかとメールを送ってくれます。予算を組んで広告の出稿を効果的に行えば、Facebookページでのいいね!(=リードの獲得)も増加していけるでしょう。 メリット: 1人の顧客だけでなくどんどん拡散して広まる リード獲得後の新製品の案内などコミュニケーションが計りやすい ユーザーに合わせたタイミングでアプローチできる デメリット: つながりを持つためにこまめにアプローチする必要がある SNS上での広告運用など専門的な知識が必要 広告の出稿費用がかかる

・広告を使ったリードジェネレーション

引き込み用のバナーやリンクでランディングページへと訪問者を誘導する広告を使ったリードジェネレーションの手法もポピュラーです。広告はダイレクトレスポンス広告とブランディング広告とに分類できます。それぞれに合った効果測定手法で評価する必要があります。

・ダイレクトレスポンス広告

ダイレクトレスポンス広告は低いCPAで資料請求や申込みといったコンバージョンを多く獲得することを目的にしています。CPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)とは、コンバージョン(CV)1件あたりにかかった広告費用を示す値です。静止画像のバナー広告、テキストタイプの広告を使い、クリック数やコンバージョン、サイトアクセス数などで効果を測定します。こうしたバナーやリンクは、CTA(Call To Action)とも呼ばれますが、そのページを閲覧した訪問者にとってもらいたい行動を意味します。通常はバナーなどでランディングページへ誘導し、そこでリードを獲得するためのオファーを行います。 ・EFO(エントリーフォーム最適化) ランディングページではリードを獲得する必要があるので、訪問者が情報を送信してくれるフォームの設置などが必要です。サイト訪問者が入力フォームに個人情報などを入力している際、エラーが頻発したり、項目数が多くてストレスを感じたりすると完了前に放棄してしまいます。これを途中離脱といいます。途中離脱を防ぎ、リードの獲得をあげるにはEFO(エントリーフォーム最適化:Entry Form Optimization)が必要です。 引用:http://efo.showcase-tv.com/img/top/efo_cont02.jpg EFOのポイント ・必須事項を明確にし、入力漏れを減らす ・送信確認とエラー警告を繰り返すことを回避する ・入力の手間を少なくする 離脱が多い場合は、フォームが最適化されていないとか、ランディングページのつくりに問題があること、またはオファリングに問題があるなどの要因が考えられます。そういった場合はログを解析するなどして、問題を改善していく必要があります。 他にも次のような事例があります。とある企業で「検索ボックス+検索キーワード」のディスプレイ広告第三者配信で実施していたところ、「リスティングのCPCが極端に上がり、CPAが悪化した」といった問題が起こったことがあります。広告のクリック数が伸びてリスティングの広告コストが急増したのに成約に結び付かない現象が発生したのです。これは購買意欲の低いユーザーへ“単価の高いキーワード”での検索を広告で促したため起こりましたが、問題が起こった時にログを解析して原因をつきとめるスキルや、ウェブ広告の仕組みをよく分かっていないと、こうした問題が改善されず、無駄なコストが発生することになります。

・ブランディング広告

ブランディング広告はコンバージョンではなく、商品や企業のブランド認知度、メッセージ想起、好感度をあげることを目的にしています。広告のための媒体は動画や広告宣伝のためのランディングページなどを用意し、表現力が高いものを使用します。効果の測定はダイレクトレスポンス広告と違ってPVやCVといったもので数値化しにくいですが、アンケート調査などを実施して、どれだけブランドに好感度を持ってもらっているかというような調査で判断します。 こうした広告を使ったリードジェネレーションでは効果の見えやすいCPAを主体に考えがちですが、そもそもブランディングが成されていなければダイレクトレスポンス広告に大きな効果を期待できません。認知されていない、よくわからない企業や商品の広告がブラウジング中に出現してもクリックしてもらえないからです。ダイレクトレスポンス広告で成果をあげるには、一定量ブランディング広告にも予算を割く必要があります。 広告を使ったリードジェネレーションを整理すると以下のような流れになります。上で述べたそれぞれのポイントを踏まえながら流れを把握しておきましょう。
引き込み用のバナーやリンク(CTA) ←  ブランディング広告

ランディングページへの誘導

オファリング

入力フォーム設置 (EFO)
メリット: ダイレクトレスポンス広告は手軽に始められる デメリット: ブランディングを同時に行わないと効果が薄い ブランディングには時間と費用、ノウハウが必要 リスティング等ウェブ広告の仕組みに精通していなければいけない ログ解析、EFOなどCVを上げるためのスキルが必要

・他社サイトを使うリードジェネレーション

他社を使うリードジェネレーションの場合、集客やSEO、EFOなどは自分で行う必要はありませんが、情報掲載料や獲得するリード数に応じた報酬を支払います。 メリット: 自分に知識がなくても専門家に任せられる デメリット: コストがかかる デメリットとしてコスト面をあげましたが、費用を支払っても利益の出る成果が回収できるのならば、スキルやノウハウを持った専門家にリード獲得までの道筋を任せるのも悪い選択ではありません。インターネットが発達した現在ではマーケティングの手法も多様化し、それぞれの方法でウェブに精通した知識が必要になってきます。ウェブマーケティングを得意とする会社と契約してお任せできれば、総合的にみて時間やコストは節約できることも多いでしょう。

最後に

見込み客を獲得(増大)させるリードジェネレーションの様々な手法について解説してきましたがいかがでしたか?DMやファックスといった従来の方法から、ウェブやSNSといったオンラインで行うリードジェネレーションの手法などがありましたが、それぞれにメリット、デメリットがあります。 他にもターゲティング、オファリング、アプローチ方法とタイミングといった3つのポイントを軸に、メリット、デメリットを踏まえ、自社にあった方法で効率的にリードジェネレーションを実践していきます。そして大切なのは、リードジェネレーションで獲得したリードは、次のステップであるリードナーチャリングで自社にとって有益な「ホットリード」へと育て上げていく必要があることです。リードナーチャリングについては他記事で詳しく解説していくので、併せて参考にしてください。 参考記事リードナーチャリングとは?事例をもとに手法を紹介
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