新規開拓の営業において重要なことは、クライアントや訪問先企業の信頼を得る方法を知り実行することです。どの企業の営業マンでも必ず上司から言われることだと思いますが、「営業は恋愛と同じ」でいかに相手の信頼を勝ち取り自分や自社に惚れてもらえるかがポイントになります。
いくら優秀な営業マンでクライアントを口説き落とすのが上手かったとしても、企業と企業、個人と個人の信頼関係の構築ができなければ長期の取引には繋がりにくく、ちょっとしたミスでクライアントに見限られてしまうこともあります。
自社にとっての上客となるクライアントを育てるためには信頼関係の構築が必ず必要になり、それが出来なければ上記のようにすぐに切り捨てられてしまい営業対効果の低い営業しか出来ません。結果いつも新規顧客の開拓に走り回っているような営業マンになってしまうでしょう。
この記事では営業における重要な要素、クライアント(顧客)からの信頼を得る方法、そして営業における信頼関係構築の重要性についてご紹介していきます。
目次
営業で信頼を得るための3つの考え方
営業ではクライアント(顧客)の信頼を勝ち取ることが重要であると冒頭でご説明しましたが、ただ闇雲・がむしゃらに仕事をしていても良い結果は付いてきません。良い結果を生み、信頼関係を築くためには仕事のポイントを抑えた対応を心掛けることが重要です。
以下の3つのポイントを意識することで、上手く信頼関係に繋げることが出来るようになります。
ニーズのあるサービスを提供する
まず、クライアントとの信頼関係を築くための1つ目の方法はクライアント(顧客)が求めているサービスを提供することです。
これはとても簡単なことで、小学生や中学生の時にしていたテストと同じような要領で捉えると良いでしょう。
1問1答の正か否かで評価が分かれるテストと同様に、クライアントのニーズやおかれた状況を理解・把握し、必要に応じて分析を行いクライアントからの問いに対して求めている情報を答えることができることが営業の必須項目です。
双方向の信頼関係を築く
クライアントからの信頼関係を勝ち取る営業方法として、顧客のニーズを理解しそれに対する提案が出来れば、次は個人間・企業間の双方向のコミュニケーションから信頼関係を徐々に構築していきましょう。
多少のミスでも笑ってもらえるような関係作りはこの個人間の信頼関係の構築によって成り立ってきます。「営業は恋愛と同じ」と前述しましたが、クライアントの担当者との関係が正にこれに当てはまり、依存や甘えではなくビジネスマンとして良い信頼関係を保つことが大切です。
企業のバリューで信頼関係を築く
営業でクライアントの信頼を得る方法、最後の1つは企業のバリューで信頼関係を築くことです。要はブランドネームです。誰だってユニクロと聞くと「世界的に有名なアパレルブランドだ」と解るように、自社製品やサービス、自社企業について担当者が予め知っているということは営業にとっての追い風になります。また、業界で顔が利く人材というのも営業における強みでしょう。
企業名が売れることによって、あの企業なら知ってるし儲かっているみたいだからぜひ仕事をしたいという企業も出てくるようになります。企業のブランド力・ネームバリューを高めると、この企業だったら安心して長く付き合えるというクライアントも集まってくるようになるため、企業のブランド力・ネームバリューは高める必要があります。
営業で信頼を得るための具体的な方法
営業でクライアントとの信頼関係を築く方法として、簡単に3つご紹介しました。次にそれぞれの項目毎に具体的にどのようにすればクライアントとの信頼関係が構築できるのか、その方法をご説明します。
ニーズのあるサービスを提供し信頼を得る具体的な方法
ニーズに合ったサービスを提供することは小学生や中学生のテストと同じ要領だとお伝えしました。営業の際にクライアントの求めているニーズをしっかりとヒアリング・顕在化し、ニーズに対する自社製品、ニーズに対する自社サービスの提供という具体的な回答を意識して行うことでクライアント担当者の理解や興味関心に繋げ、受注確度を高めていくということがポイントです。
これがピントのズレた提案だったらニーズが異なるためクライアントの担当者には響かないでしょう。クライアントが抱えるニーズや問題点に対して、自社の製品やサービスを利用することでどのような効果が得られるのか、またその成功事例の紹介や他社製品・サービスとの比較から見た自社製品・サービスの強みなどを要点を押さえて説明していくことで、クライアントの理解を深めることがポイントです。
営業時に製品紹介を行う場合などはデモンストレーションを行ったり、自社ツールの紹介であれば仮ログインIDやPWを発行し実際に利用してもらうなど、自社の強みを解りやすくアピールするとより信頼してもらえるようになります。
双方向の信頼関係を築く具体的な方法
個人間の信頼関係が成り立っていないと企業間の信頼関係は築けず、個人間の信頼関係が崩れてしまうと同時に企業間の信頼関係も崩れてしまうことがあるほど、個人間の信頼関係の構築は重要になります。
信頼してもらう=頼られるということです。この人だったら大丈夫だろう、という安心感がクライアントとの間に生まれれば、勝利したも同然でしょう。トラブルが起きた際や売上が思うように上がらないなど、クライアントが困っている事にこそ支えになりに行き、「何か手伝えることはないか」と声をかけてみましょう。
また、新しいことには常にアンテナを張っておき有益な情報はいち早くクライアントに共有するようにすることをオススメします。そうすることで、クライアントにとって有益になる営業だと判断される可能性がありますし、何よりクライアントの担当者が社内でその情報を発信することが出来るため、担当者にとってもプラスに働きます。
こうした貸しを作ることで、いざという時に助けになってくれるように働きかけておくと、自然と信頼関係が構築されていきクライアントの依存度が高くなってきます。貸しも何も作らずにただ甘えられるのと、頼られるのでは同じ依存でも質が異なるため、見誤らないようにしたいところです。
その他に、ビジネスシーンにおいて重要視されるのはスピード感と正確さで、役職が上がるほどこの2つを評価対象として重要視する方が多い印象ですが、対クライアント業務においてもこれは非常に重要なことといえます。
上司よりも大切なお得意様であるクライアントの時間を使ってもらっているのですから、素早く丁寧に正確な対応を心掛けることは必須だと捉えておくことをオススメします。
誰でも先ずは警戒されているところから営業がスタートします。コミュニケーションでニーズを炙り出し、必要な情報やサービスを提供し、クライアント担当者の役に立つ存在になる。その上で営業担当者としての人柄に惚れてもらえるようになり、崩れ難い信頼関係の構築に繋がっていきます。
企業のバリューから信頼関係を築く具体的な方法
企業のバリュー(価値)でクライアントとの信頼関係を築く方法は2通りです。1つは社員に顔が広い人材が居ること、もう1つは受賞歴や過去の取引など企業としての実績です。
どちらも企業としてのバリューになりますが、受賞歴や有名な企業との取引実績は営業を行う上で受注確度を上げるための大切な要素の1つで、有名企業のネームバリューを最大限に活用する方法は、プレゼンや営業の最後の一押しに使えますし、警戒している担当者へのフックとして使うこともできます。
老舗企業だと取引実績もそれなりにあり引用できる事例はあるかと思いますが、ベンチャー企業などはまだまだ取り引数も少なく企業としての付加価値が生まれていないこともあるでしょう。そうした場合は顔の広い社員を強みにして、紹介営業などで受注に繋げていくことも良く行われている方法です。
最後に
今回は営業における信頼関係の重要性とその獲得方法についてご紹介しました。一朝一夕で築けるものではないため、ポイントだけ押さえておき普段の営業スタイルに活かせるようにすると良いのではないでしょうか。そうすることで自社や個人の売り上げ目標や利益を追従しただけのその場限りの営業ではなく、クライアント(顧客)の満足度を高め、クライアントとの信頼関係を構築することが出来るクライアントを育てる営業方法が身に付くでしょう。