商品戦略のプロセスで「業界・競合調査」の次に行うのが顧客分析です。売り手は、自分が提供する商品やサービスをよく理解していると思い込んでいますがそれは大きな間違いです。自社の商品やサービスの価値を決めるのは顧客側であり、顧客分析なしに商品戦略は成り立ちません。また自社の売りたい顧客層と、自社の強みを重視する顧客層が一致しているか、ターゲットの正確な設定にも顧客分析は欠かせません。

今回は顧客のニーズに応える商品を開発し、自社の強みを活かして戦略を立てるのに必要な顧客分析の手法を詳しくまとめていきます。顧客分析の方法はいくつか有名なフレームワークがありますが、ここでは大きくわけてグルーピングによる分析と、3C分析による顧客分析の方法をご紹介します。

グルーピングによる分析手法

 デシル分析

デシル分析は購入金額の多い順に顧客リストを並べ替え10のグループに分ける分析手法です。デシルとは1/10という意味から取られた名前です。「上位1-2のグループで売り上げの過半数~8割を占めている」という場合は重要度をこのグループに絞り込み、集中的にアプローチをかけていくというように戦略を決めていきます。

 RMF分析

RFM分析とは、顧客一人ひとりを「直近の購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「累積購買金額(Monetary)」の指標でランク分けし、それぞれのグループごとのマーケティング施策を講じる手法です。購買金額だけでグルーピングするデシル分析を購入日や頻度といった要素でさらに深く切り込んで、立体化したイメージで顧客分布をイメージすることができます。

セグメンテーション分析

顧客群を業種や購買力、購入頻度といった属性でグループ分けしてセグメントしていく分析手法です。ここで重要になってくるのはどの指標をセグメントに用いるかということです。「顧客分析によって知りたいこと」が何であるかを決め、その結果が正確に導きだせるようにしていかなければいけません。

顧客分析を行う目的は「顧客分析によって知りたいこと」「自社にとって価値の高い情報」を得るためです。このメリットを最大限に引き出すには、手法の選択、分析に必要な指標などを何にするかが重要になってきます。

 

3C分析

3C分析ではビジネス環境を「市場(顧客:Customer)」、「競合(Competitor)」、「自社(Company)」と3つに分類し、企業を取り巻く環境や戦略策定時における市場を分析します。

分析項目:
・経営資源(生産能力、従業員数など)
・業績(売上高、利益、キャッシュフロー、シェアなど)
・戦略(集中戦略、差別化戦略など)

こうした要素を分析することで、ビジネス環境における自社の強みと弱みを評価し、課題の発見や、競合他社と比較することで今後取るべき戦略が分かり自社の成功要因を導きだします。

3C分析では自社・競合・市場は上記の図のような関係性になり、顧客は自社と競合をどのように比較しているのかを、上記の基づいて分析します。それに対し、自社と競合他社は顧客に対してどのような価値を与えられるかを考えていきます。もちろん競合よりもより良く、より顧客のニーズにあった価値を提供しなければ勝てません。そのためには競合と差別化できる点は何か、自社のどのような強みを活かせばよいかを考えていくことになります。それでは具体にどのように分析していけばいいのかみていきます。

市場分析(customer)

市場・顧客の分析では「マクロ分析」「ミクロ(業界)分析」「顧客分析」といったフレームワークを用いて分析していきます。これらの分析で共通するキーポイントはいずれも「要素の変化」です。

・マクロ分析
景気変動、法の変更、人口動態の変化、流行の変化、社会的な変化(新技術の誕生や普及など)

マクロ環境は事業に与える影響が大きく、その範囲も膨大になります。PEST分析と呼ばれる4つのチェックリストでマクロ環境の変化を具体的に洗い出すと効率的に調査できます。

 PEST分析

・政治的(Politics)
・経済的(Economy)
・社会的(society)
・技術的(Technology)

・ミクロ(業界)分析
業界の構造変化、自社のビジネスに対する影響度

ミクロ(業界)分析では『商品戦略のプロセス解説step1 「業界・競合調査」』で紹介した5フォース分析を用いて調べていくことが可能です。

5フォース分析

1.既存競合
2.新規参入の脅威
3.代替品の脅威
4.買い手の交渉力
5.売り手の支配力

こうした5つの分析で業界構造を知り、これらの変化に着目し、それが自社にどのような影響を与えるか分析・評価します。その分析に基づいて競争に対し優位性を構築するアクションを取ります。

・顧客分析

マクロ要因やミクロ要因により、顧客の価値観やニーズがどのように変化しているかを探る

顧客フレームの分析では「市場や顧客のニーズの変化」を把握し「ターゲットの明確化」が可能になります。また「競合が顧客のニーズにどのように対応しているか」を知ることもできます。

 競合分析(competitor)

競合分析では競合の売上、営業利益、コスト、広告宣伝費用などの数値結果と、それが導き出された理由(リソース)を調べていきます。リソースはROEや一人当たりや店舗あたりの売上高、顧客あたりの売上げなどを調査します。その上でどのように売り上げや効率を高めているか、原材料の調達から製品開発、商品、サービスが顧客に届くまでの一連のバリューチェーン(企業活動)の仕組みを探っていきます。

自社分析(company)

自社分析は売上高や市場シェア、収益率、技術力、人的資源などを分析し、市場における自社の強み、弱みを探ります。この分析には「SWOT分析」と言われる手法を使って内部環境(内的要因)と外部環境(外的要因)から導いていきます。

SWOT分析

強み(Strengths)
弱み(Weaknesses)
機会(Opportunities)
脅威(Threats)

自社分析では顧客分析、競合分析の結果をみて、最終的にどう自社を追従・対応させるか考えていかなければいけません。つまり競合他社にはない、自社の独自能力=強みをみつけ、差別化をはかっていくところまでが顧客分析の目的となります。

以上のように3C分析の手法を一通りまとめてみました。3C分析はシンプルでベーシックなマーケティングの分析フレームワークです。しかし理論を理解しただけでは、実際のマクロやミクロの視点から実践的分析を行い使いこなすことは容易ではありません。マーケティングスキルのない会社や部署が3C分析を行うのに困難な理由は顧客情報収集ノウハウがない、競合情報収集ノウハウがないことがあげられます。さらには自社の情報を正確に収集することすらできていない場合もあります。分析の前の「顧客分析」「競合分析」「自社分析」の情報収集力によって、分析に大きな違いがでてしまうのです。

 

最後に

顧客分析には情報収集力が大切な鍵になるということがお分かりいただいたと思います。 3C分析は戦略の土台となるので、実際に分析を行うと非常に時間がかかります。最初に紹介したグルーピングによる顧客分析でも、正確な指標を決めて分析を行わなければ、必要な情報を正確に得ることができません。

営業戦略でもっともポイントとなるのは、アプローチすべきターゲットを正確に抽出することですが、こうした重要ポイントにおいて分析に精通したプロに任せることも考慮にいれることが大事です。良い事業戦略には、良い分析が必要となってくることを念頭において、自社のリソースを必要なセクターに集中させていきましょう。

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