テストマーケティングは、実際に商品の販売や展開を始める前に試験的に販売したり、事前シミュレーションを実施したりして、その結果にもとづいて課題を洗い出してから本格販売を行う手法です。大規模な事業展開前に踏み切る前に、失敗するリスクを最小限に減らし、効率的にマーケティングを行っていくために必要な作業です。今回はテストマーケティングを行うことで成功した事例を踏まえながら、テストマーケティングのメリットを詳しく解説していきたいと思います。

 

テストマーケティングのメリット

テストマーケティングのメリットとしては以下のようなものがあげられます。

・失敗するリスクを軽減できる

・効率的に販売計画が立てられる

・ターゲットとするユーザー層を正確に把握できる

失敗するリスクを軽減できる

ぶっつけ本番でいきなり製品を開発し大量生産してしまった場合は、思うように売れなかった際に多くの不良在庫を抱えてしまうことになります。他にも見切りで販売拠点を構築してしまい、初期投資した営業リソースの無駄を出してしまいます。

心理学には「確証バイアス」と呼ばれる用語がありますが、

仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。

引用:Wikipedia

と説明されています。事業の展開においてはできるだけ確証バイアスを外し、なるべく客観的に自社の事業展開を分析する必要があります。テストマーケティングを行うことで客観的に事業計画を検証し、リスクを大幅に減らすことが可能です。

 

効率的に販売計画が立てられる

テストマーケティングを行いつつ、市場調査はもちろん、初動やリピート率、広告や販促活動の効果を測定して検証していくことで効率的に販売計画が立てられます。 商品の仕様や販売・生産計画、販促活動や広告の内容についてテスト結果をもとにした最適化を実施すれば、結果としては無駄な時間や費用を抑えて最短で高い効果を出すことが可能です。

 

ターゲットとするユーザー層を正確に把握できる

マーケティングの基礎のひとつはSTP分析といった定番の手法にも代表されるように「ターゲティング」です。正しい標的市場(ターゲット)の選定がその後の新規事業の成功の要因を大きく左右します。

狙うターゲットに合わせてキャッチコピーや広告戦略も変わりますし、価格や店舗の立地や内装といったものも変わってきます。ターゲティングの重要性は分かっていても、自社の商品やサービスのターゲティングは明確に決められていなかったり、最悪見当違いのターゲットを想定してしまっていたりしている場合もあります。テストマーケティングを行うことによってターゲットとするユーザー層を正確に把握し、正しい戦略をしいていくことが可能です。

 

テストマーケティングを行うことで成功した事例

 コンビニのテストマーケティングでヒットを生み出す

実市場でのテストマーケティングが昔は主流で、日本の平均的なデータが取れる静岡県などで盛んに行われていました。現在は限定的な地域で店頭テストマーケティングを行うよりも、全国展開をしているコンビニとコラボレーションをして、「限定商品」として発売する手法もよくみられます。コンビニで数量や期間限定の限定商品として売り出すことがそのままテストマーケティングとなっています。

例えば「ヘルシア緑茶」を生み出した花王は、当初関東・甲信越地方のコンビニエンスストアだけに絞り込み販売を開始しました。ヘルシア緑茶はメタボリックシンドロームに悩む肥満を解消したい層がターゲットでしたが、そのターゲットとなる中高年ビジネスマンがコンビニエンスストアをよく利用するというデータがあったのがきっかけだったとのことです。1年半テスト期間を持ったコンビニでの売れ行きが好調で、その後花王はヘルシア緑茶を全国展開しました。ご存じの通りヘルシア緑茶はトクホのお茶の先駆けとして、健康志向の中高年を相手に大ヒットしました。花王は日用雑貨を主力展開する企業ですが、全国に3000人程のモニターと契約し、ホームユーステストなども頻繁に行っています。商品のターゲットに応じて適したテストマーケティング手法を使い分け、ヒット商品を生み出しています。

 

プレゼントキャンペーンと併用し商品をヒットさせた和菓子店

・HPを情報発信から情報収集のツールへ変換

とある国内の老舗和菓子店の事例のご紹介です。この和菓子店は店頭での実販売がメインで会社のHPは住所や基本情報など、店舗側の情報発信のサイトとして利用していました。一応電話番号やメールアドレスも掲載し、HP経由での受注も案内していましたが、実際のHP経由でのオーダーは数カ月に1件あるかないかといった状態です。子の店舗はウェブマーケティングを得意とするコンサルタント会社と契約して、HPの見直しをすることにしました。

・愛好家のデータ収集に成功

いきなりオンラインECサイトをオープンする前に、まずはHPに「和菓子プレゼントキャンペーン」を告知するページを制作しました。キャンペーンへの応募が殺到し、1年間で和菓子好きのユーザー情報が数千件収集できました。

次に応募者に対して「この店の和菓子をオンラインで購入してみたいか」というようなアンケート調査を実施しています。当初は数%程度だった「はい」という結果が徐々に増え、5割を超える人が買ってみたいと答えるようになりました。その後、本格的なECサイトの構築と販売体制を準備します。

・応募者へDMで先行リリースを告知

新規ECサイトオープン時は応募者へ事前オープンのリリースを限定的に実施し、好調な受注結果を得ることができました。事前に試験販売を実施した結果をもとに検証を重ね、一般新規顧客向けにもサイトを本格リリースし、年間数万件というヒットを生み出すことに成功しました。

 

越境EC事業を成功させた爽快ドラッグなどの事例

・巨大な市場規模を誇る越境EC

中国人旅行客の「爆買い」で注目されるようになったインバウンド需要ですが、そのインバウンドより規模の大きいマーケットとして注目を集めているのが「越境EC」です。越境ECとは中国や東南アジアなどの外国の消費者がインターネットを通じて海外製の商品を購入し、その商品を国外から配送するシステムです。中国ではアリババ・グループが14年にB2C向けにスタートした「天猫国際(ティーモールグローバル)」モール などが有名ですが、日本からは健康関連商品の通販サイト「ケンコーコム」や「爽快ドラッグ」がいち早く出店し成功を収めています。

 

引用:週刊東洋経済2015年10月31日号

 

・中小企業だからこそチャンスが見いだせる

週刊東洋経済2015年10月31日号で紹介されている中国での越境EC事業の事例ではこうした大手企業だけでなく、日本の中小企業の越境ECの成功例も次のように紹介されています。

 

中小企業が販売している商品が、中国では大化けしてヒット商品になるケースは決して珍しくありません。国際的なブランド力や知名度はなくても、口コミから広がっていく傾向にあります。

 

また同時に

 

何が売れるのかを見極めるのはとても難しい。だからテストマーケティングを繰り返すことで、市場が求めている最新の動向を常につかんでおくことが大切になります

 

と書かれています。いくら市場の成長規模が大きくてもやはりテストマーケティングは重要なのです。

 

・Facebook広告でテストマーケティング

中国や東南アジアなどは宗教や文化、風習が日本と異なりどのような商品が好まれるのか見極めるは難しい面があります。海外進出前に「市場調査」「本格的な越境EC」「現地における支店開設や現地法人設立」の3つのフェーズを、Facebook広告でテストマーケティングを行ったある中小企業は、低コストで調査を行い効率的に海外進出を果たしました。この企業は現地の言語でFacebookに広告を配信し、消費者をECサイトに誘導しました。その後販売認可の取得、物流・配送などを支援するコンサル企業と契約を結んでスムーズに事業を展開していくことができました。中小企業でもネットを使ったテストマーケティングと支援コンサルタントを効率よく使うことで、今後も需要が膨らむ巨大マーケットに参入していけます。

 

最後に

事業の本格参入や全国展開前にはテストマーケティングが重要で、商品の売れ行きや事業の成功に大きな影響を与えることがお分かりいただけたと思います。ここで紹介した事例を参考に、新規事業展開がスムーズにできるようテストマーケティングをぜひ活用してみてください。

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